ゆうきともからのお知らせ 2

主に monthly Magic Lesson に対するお知らせや、ゆうきともの個人的な見解等を不定期に書き込むblogです!

2007年07月

「成功したマジックの演技」 と言う場合、私の定義はこうだ。

広くは私がマジックについて抱いているイメージを表現できるということであり、狭くは演じたイリュージョンを表現できるということだ。

さらには、これらのイメージを観客に伝え、なるべく私が意図したとおりに、観客がそれに伴う知的概念を理解したり、感情を感じたりしてくれるということでもある。

大事なことは、私は自分の定義に、エンターテイメント、社会的地位、お金を稼ぐことなどを含めていないということだ。

      ロベルト・ジョビーのカードカレッジ4/壽里竜 訳

先週は余裕があったので、久々にネットをチェックしていたら、 (ーー;) といった感じになるブログがちらほら。

とりあえず気持ちばかりの対処?をしたのが2箇所ばかり。

一つは書き方を見る限り確信犯 (まあ、悪気はないのでしょうし、自覚さえしてないのでしょうが) で、例えるなら公開中、もしくは発売中の映画や書籍のネタを堂々と自身のブログで大公開していて、なにも罪の意識を感じない…… というか、そういった概念のない人。 残念ですけど最近増えてますよね。 たぶん。

せめて引用元や作者くらいクレジットしてほしいし (この件に関してはなかったのです……コイツがあったとしても本質的な問題は変わらないのですが、まあ、あれば宣伝と考えられなくもないかなあ……)、ネタを知りたくない人のために注意書きくらいしてほしいところ。この件は知人の作品に関することだったのですが、ある意味自分のこと以上に腹が立ちました。

もう一つは、「人から教えてもらった良いネタがあるので教えます」ってなヤツ。
まあ、このようなブログは無数にあるのでしょうが、それが中級者 (この基準もよくわかりませんが) を自称するような人だったりすると、余計落ち込んでしまいます。
誰の作品か知らなかったので……とか、そういった問題以前に、その教えてくれた人だって、勝手にブログで (しかも詳細に) 解説されたと知ったら驚くんぢゃないの?って思うのは私だけ?

※まあ、かなり著名な奇術関係者でも、こちらが驚くほどルーズだったりします。テレビやDVDなどを見ていて、何度驚いたことか……。

いずれのケースにしても作者の立場としては、あまり良い感じはしません。

せめて、もっとコッソリと (証拠を残さないように) やってくれと。

自分に置き換えて考えたら分かりそうなものですが…… そう考えられる人のほうが少数派のようで…… これまた残念としかいいようがありません。


基本的にはまったく関係のない話ですが、以前ある研究家の 「私はカードマジックの本なら何百冊でも書けますので、……」 という記述に、いろんな意味で驚いた記憶があります。
先ほど読んだ本の、 「マジック歴×年……蔵書は×冊……マジックの解説を書かせたら右に出るものがなく……」 もすごいなと。

モダクラ劇場の打ち上げの際、第一回目の出演者でもある一太郎さんが、あるカードトリックを演じてくれました。

おそらく40歳以上の古株のマニアにとっては、なつかしいであろう 「ユーロピアン・エーセス」(表記そのまま) です。 確かジョージ・シンドラーの本(高木重朗訳)に解説されていて、「ザ・マジック」 の初期の号にも、アスカニオ原案として紹介されていたような気がします。

正直、最初に読んだとき (中学生くらいかな) は、ちょっと無茶なのでは? そう思ったトリックの一つで、結局実際に試す勇気はなく、私の中ではずう〜っとお蔵入りしていたものです。

一段目に関しては、他のマジックの中で使用することもあったのですが (ジョビーのカードカレッジには、フレッド・テイラーのキュアリアス・カウントとして解説あり)、うまい人にサラリと演じられると、「ああ、良いマジックなんだな」 と思い、研究しなおす良いキッカケとなります。

文章と映像の差も、実際のところは理解しにくいのですが、映像とライブの差と言うことに関しては、さらに分かりにくくなっているのだなと感じる、今日この頃なのでした。

一太郎さんありがとうございました。

今月のmMLはお手元に届きましたでしょうか?

最古株の会員の皆様には、25号をお送りしているはずですが、早いもので3年目に突入し、ごく大雑把ではありますが、カードマジックの基本程度を (かる〜く) さらうことができたかな?と感じています。

とりあえず30号までの内容は (ほぼ) 決定しておりまして、テーブルド・フォールス・シャフルやカット、ピーク・コントロール、ボトム・パーム等 (無論、基本部分ですが) を解説し終えましたら、少しスタイルを変えてみようかと思案中です。

ちなみに最新号からは、編集スタイルを少し変更しているのですが、詳しくはmMLブログをご覧ください。
コメント欄を設けておりますので、ご意見ご要望などは、すべてそちらへお願いします。

ところで先日のモダクラ劇場に参加いただいた会員の方から、ある質問をいただきました。
以前にも説明しましたが、mMLは元々カメラの入らない普通の講習会だったところから、現在のような会員制の通販システムにシフトしてきました。
うかがったお話は、まったく私自身、深くは意識していなかったことなのですが、「なるほど」 と感じるところがありましたので、ぜひ参考にさせていただきたいと思います。NYさん、ありがとうございました。

※当人以外にはわからない話ですみません。実は27号までの収録が終わってしまっているので、変更できるとすると28号以降になりそうです。(^_^.)

「モダクラ劇場4」 が無事終了しました。 

台風や地震などの影響は大丈夫か?とひやひやさせられましたが、とりあえず雨も上がり、遠く北の国からお越しいただいた方も、大きなトラブルに巻き込まれることなく(東北新幹線の遅れも30分ほどですみ)、翌日が平日ということで 「エンドレス打ち上げ」 は無事3次会までで健全に終わり、楽しい会となりました。

お集まりいただいた参加者のみなさん、ゲストの渡辺さんとゆみさん、主催者およびスタッフのみなさん、本当にありがとうございました。

次回は1月を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。


会場には 「魔法修行」 でおなじみの平木さんもみえており、自作のレクチャーノートをいただきました。 いつもありがとうございます。 帰りの電車で読みましたが、こりゃすごい! できれば実際に騙されてみたかった…… どれもおもしろい! ある作品がとっても気に入ったので、さっそく自分らしくアレンジしてみました。 とうぜんまだ試せてはいませんが、これはたぶん、しばらくの間 「お気に入り」 となりそうな予感。

「ミスディレクション」 というサイトで、ランス・バートンのレビテーション(浮揚)を観ることができました。

ランス・バートン・シアターの模様だと思うのですが、テレビ番組からの映像でしょうか? なんか最近はあらゆる映像が動画で見られるそうで…… ま、私自身は肝心の見方(方法)をよく理解しておらず、活用もできてはいないのですが。

このサイトは、たまに覗かせてもらうのですが、ありがたい反面、複雑な気持ちでもあります。 いや、ほんとに申し訳なくて……。

ま、それはともかくランスです。ちなみに以下の文章は、映像を見てから読んだほうがよろしいかと思います。


その昔、ベガスに彼の専用シアターができて、日本で初めてそこで収録されたテレビ番組が放送されたときに、彼のすばらしさを(十分に)知っているがゆえの不満を、ずいぶんと感じてしまったものです。

ここで逐一、それらすべてを説明することはしませんが、これは彼が本来 「イリュージョニスト」 ではないがゆえの、根本的な問題であり、決して彼自身の責任ではなく、「大きな商売」 には必ずつきまとう問題です。

おそらく現役のマジシャンの中で、ランス・バートンこそは、もっとも魔法に近い、美しい 「ハト出し」 を演じることのできる人物でしょう。 おそらくこの部分に関しては、アスカニオいうところの7段階目レベル 「極致」 に来ているといってもいいでしょう。

で、話を元に戻しますが、番組のプログラムに関して言うと、とにかく 「人体交換」 が多い、もしかして 「世界まるみえ」 みたいに、その現象だけ繋げたの?ってなくらい多い。

※「おまえはフランツ・ハラレイか!」 って、つっ込みたくなりました。

しばらくは謎だったのですが、あとで彼のインタビューを読んでわかったのは、


ランスがめちゃくちゃ 「人体交換」 好きだってことです。 (^_^.)


彼が島田春夫の影響を大いに受けていることは有名ですが、そう言われてみれば、あの 「ドラゴン・イリュージョン」 も 「人体交換」 でした。

彼が大きなシアターを持つ前から演じていた 「カードソード・イリュージョン」 は、日本でも何度も放送されましたが、観るたびに良くなっていき、最終的に、彼らしさの十分に発揮された、すばらしいアクトになりました。

……で、今回観たアクトですが、カードソードの流れを受け継いだ、すばらしいものに仕上がっています。 

初期のカパーフィールドを彷彿させるようなスタイルで始まり、最後は完全に騙されて、本当にうれしくなりました。

願わくば実際のショーの中では、同じタイプのネタを少しひかえてもらい、できれば、キャパが1000人以下の劇場で観てみたいものです。

ランスファンの独り言でした。

春先からストレスの元凶となっていた仕事が一段落。

今月はじめて映画館へ行けました。

乙一原作の 「君にしか聞こえない」 ……良い。

昨年の 「暗いところで待ち合わせ」 といい、なかなかいいぞ。

無論、不満はあるものの…… そもそも完璧な映画など、そうはあるまい。

今回の作品は、多分…… 原作を読んでから観たほうがいいかなと。

ミステリーが主題ではないものの…… 映画のほうがネタばれしやすいかと。

小説より良い部分もありますが…… 残念な部分も当然ながらあるという。

いや、なんだかんだ言っておりますが…… 泣けて泣けて仕方なかったです。

ホント、こーゆー展開にめっきり弱くなりました。 乙一ファンにはおすすめ。  

私たちが秘密に対して抱いている気持ちを再認識してもらいたい。

それを尊重し、本当の血縁であるかのような仲間たちの中で、その気持ちに惜しみない注意と関心を寄せてほしい。

それが私の願いである。

あなたが本書を買ってくれたのなら、そして本書を読み、理解してくれたのなら、あなたはその小さなクラブに属していることになる。

私は他のすべてのメンバーに代わって、あなたを歓迎しよう。


私は 『カード・カレッジ』 の3巻と4巻を書き終えてからこの序論を書いた。

私はバーバラとふたたび約束した。

もうこんなことは計画すまい、と…


  壽里 竜 訳 / ロベルト・ジョビーのカード・カレッジ 第3巻 より

ダイ・ヴァーノンはかつて、ネイト・ライプチヒに素晴らしいマジックを見せてもらったことがある。

ヴァーノンは、そのトリックのネタについては尋ねずに、こう言ったという。

「ネイト、これはいままで見た中で、1番美しいトリックだよ。いつか君がそのやり方を僕に教えてくれる日がくるといいね」

ヴァーノンは、無理強いをせずに自分の気持ちを伝えた。

ライプチヒは秘密を明かさないか、それとも共有するか、すぐに決められただろう。

他人、その人のアイディア、とりもなおさず他人の持つ秘密、こういうものに対してヴァーノンが示したこれほどの尊敬の気持ちは、偉大なる達人の名に値することを示すエピソードである。

目新しい新商品を参加者の間で交換することは、コンベンションやワークショップなどでは当たり前のことになっている。

熟達したマジシャンたちは、しばしば初心者から気安くこう話しかけられる。

「あなたはすごいパスができるんですって? ちょっと見せてくれませんか?」

こんなふうに人に語りかける人は、実用主義者、専門の技術屋にすぎない。

私は別に、能力主義とか、地位や肩書きに応じた尊敬とか、そういうことを言っているのではない。

想像力の欠如について語っているのだ。

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