ゆうきともからのお知らせ 2

主に monthly Magic Lesson に対するお知らせや、ゆうきともの個人的な見解等を不定期に書き込むblogです!

2006年06月

「M」 というシールをTシャツの首元につけ、5時間ほど街中を歩いていたゆうきです。

打ち合わせ先のふたり、ってゆーかYさん、普通気がつくでしょう! 

ダミアンの頭のアザじゃあるまいし……って、いったい何人が理解できるんでしょう。 ちなみに昨日リメイク版 「オーメン」 見ましたけど、ダメですね。 オリジナル版が観たくなりました。


……で、気づかなかった、そんなあなたのために第三弾です。

   表裏一体  2005/09/21

 数多くの傑作予言トリックの考案者として
知られる平田旭人氏の「カラープリディクション」
に触発されて90年頃に構成したもので、92年
に最初30部ほど販売しました。

 プロット自体はラリーベッカー氏の作品から借用
しています。メイントリックが視覚的におもしろい
ので、ある意味種明かし向きではあるのですが、

 某有名マジシャンにテレビで種明かしされた時は
びっくり・・というかちょっと引きました。
 
 ちなみにフォーサイトの商品はお買い上げの時期
によって多少のマイナーチェンジを行っている場合
がありまして、「表裏一体」ではカードの裏に
怪しげな文字が入っているバージョンがあります。

 まあ賢明な愛好家の皆さんならお気づきかもしれ
ませんが、全ての選択を終えて表の予言を示す前に

「どうぞ読み上げてください・・エッ読めない?
 では私が呼んで差し上げましょう! どれどれ
 あなたは100円をえらんで表を出すことで
 しょう。・・・すごい、完璧に合ってます!」

といったジョークを楽しむための工夫でありました。
気付いていなかった方はこれから是非!

「あなたのカードの行方」(モダクラDX3) というレクチャーノートがあります。いわゆる 「カードモンテ」 の手法と手順に関するノートですが、最近の某レクチャーにおいて、その作品を単独で演じる必要があり、ノートには書かれていないアイデアを使用しましたので、紹介しておきます。

ちなみにノートをお持ちでない方には、いったい何のことかわからないかと思われますのでご注意を!

あらかじめ数字の小さいカードのフェイスに 「ゆうき」 など、演者自身の名前を大きく、ハッキリと書いておきます。

このカードがオチとなるわけですが、このカード自体は普段他の演技の際にジャマになりませんので、便利です。

手順における最後のセリフは 「さて、あなたのカードはどれ?これですよね…… んー、でもこれ実は 私のカード!」 といった感じになるわけです。

無論あなたの名前を観客が知っているということが前提ですので注意しましょう。


さて 「ゆうきともからのお知らせ」 から、第二弾です。 


  「解説は簡単ですが」 2006/06/12


セレクションは「ばっちり」です。

何がかというと、「トランプ・タイム」♯1・3・4
内容です。

このスペースでも何度か説明しておりますが、
本来は2004年に製作した通信教育用の教材
のために作った冊子であり、映像のフォロー、
もしくはチェック用のおまけのような素材だった
ため、解説が簡単すぎるキライはあるのですが、
ちょっとしたコラムも含めて、実践でマジックを
楽しみたい方にはオススメです。

実は4〜6月の間、初心者向けのカードマジック
教室を行っており(20代から70代までの8人)、
次回で最後なのですが、その際のテキストとして
1、2、を使ってみました。
結論から申しますと、あらためて良いトリックで
あることを実感しました。

多少カードマジックの心得のある方もおられたよう
ですが、4回分の講義を終えた段階で、このタイプ
のトリックの実用性と、その効果にかなり驚かれた
ようです。

自身で製作しておいてなんなのですが、ほぼ即席で
行えるトリックが計20種類もセレクトしてある
ため、読み直すたびに 「ああ、あった、あった!」
そういった感じで思い出すトリックがいくつかあり
ます。

今回で言うと、♯2の 「8・9トリック」 など
は、あらためて傑作 (ま、すべてがそうなのです
が) だなと、再確認いたしました。

長くマジックに係わっておりますと、難しく、複雑
なトリックにばかり目がいってしまいがちですが、
たまにはやさしくて (あくまでもスライト的にと
いう意味ですが)、効果の高いトリックを、余裕を
持って演じてみてはいかがでしょう?

以前ヴァーノン氏が亡くなった際も、その前後、大物奇術家がバタバタと後を追うように、または、まるで天国への道を先導するように旅立たれたものですが、今年も何故かそんな年になっているようです。

十年後、さらに完成されたワンダー氏を生で観ることは、永久に叶わぬ夢となってしまいました。本当に残念です。


さて、話は変わりますが、以前フォーサイトのサイトにて公開しておりました 「ゆうきともからのおしらせ」 がクローズされまして、フォーサイトのオリジナル商品にまつわるトピックスも読めなくなりましたので、今後は機会をみながら、このスペースでも少しずつ紹介していきたいと思います。

紹介する商品はすべて 「フォーサイト」 もしくは 「mML」 にてお求めいただけます。

とりあえずは第一弾として、傑作パケットトリック 「パトリシア」 から

2005/09/20 パトリシア

 発売中の「パトリシア」ですが、考案者である
佐藤氏の原案では、最後の入れ替わり部分のメソ
ッドが解説とは異なっています。

 好事家のみなさんのために、この場をかりて
簡単に説明しておきましょう。

 ダイヤのエースを卓上に置き、続けて手元の
トップカードを(ダブルで示した後)ダイヤの
上ではなく、横に一旦置きます。ここで残った
二枚のカードを少し離れた所に裏向きのまま置
きます。
 
 ダイヤを手に取り、横のカードを返すふりを
して実際にはメキシカンターンノーバーチェンジ
を行います。(実はここでかなり大胆な矛盾が
起こりますが、鮮やかな変化を演出できます。)

 卓上のカードが突然クラブに変化したように
見えますが、ここで流れを止めずに手元のカード
を返してスペードを示します。

 後は残りの二枚がダイヤとハートに変わっている
ことを見せてフィニッシュです。 

……ホント、困った問題をさらにあさっての方向へと持っていったりするもの……まあ難しいモノなのであります。

私がココで書いたことを、すべて自分に向けての発信と信じて疑わない人がいます。それが良いことであっても悪いことであっても……。

以前、行間を読むということについて書かせてもらいましたが、たった一言、一行の文章でも、とらえかたは人それぞれです。

それぞれではありますが、あまりにも極端な方は本当に困ります。

私がココで取り上げているコトは、極めて普遍的なこと(無論私の中でということですが)ばかりであり、すべては私自身の見解です。直接のターゲットに向けた発信ではないのです。ですから仮にモデルになっている出来事があったとしても、その出来事に思い当たる人に届こうが届くまいが、全く関係ありません。そして、当たり前のことですが、当然私の見解がすべての人にとって正しいとも限りません。

ただ、何かそのことで具体的な問題が起こったときに、自身の覚悟があるかどうかだけです。

そこに何者かが介在する場合、本当に大切なこと、大事なことは、直接当人とやり取りをします。しかし、まったくそれらが通用しない人もまた、まちがいなく存在しているわけです。

イベントや商品の紹介はともかく、すべての見解、考察は、自分自身のために、ゆうきに向けて書き連ねているものです。そこからみなさんが何かを読み取ることは自由なのですが、限られた情報、もしくは片寄った情報から推測で判断したことをゆうきの考えであるかのように吹聴されるのは困りものです。

ところで、以前ココに書いたことで、実際にお会いしたことのある人物からの意見を目にする機会がありましたので、全く知らない人物でもなく、上記のような極端な人物のようにも思えませんので、一応お答えしておきます。これは、もしかするとその人物と同じようにとらえてしまった方に対する回答でもあり、私自身の仕事(依頼を受け、承諾したすべてのマジックがらみの件)のスタンスでもあります。
※ある人物の意見は一度しか見ていませんので、正確ではないかもしれません。

要は 「ゆうきは仕事を選ぶのか!けしからん!」
「一度引き受けたからには文句をいわずちゃんとしろ!責任持て!」

……と、いったところなのですが、これって私の文章がつたなかったということ、そして、けしてすべての情報を提示していなかったことを考えると、仕方がないのかとも思える反面、少し読解力が足りないかな?とも正直思えます。

順番にまいりましょう。仕事を選ぶかどうかですが、これは選びます。ただしギャラの問題ではなく、私にその仕事がこなせるかどうかの問題です。実際にはたくさんいらっしゃいますが、自分のできない仕事を平気で引き受ける度胸は私にはありません。

続いてもうひとつの方ですが、私自身はそれがどのような経緯で受けたものであっても、一度承諾した件を途中で投げ出したことはありません。ただし、先方からドタキャンをくらったり(これは実際よくあることです)、もっと失礼なこと(恐ろしくていえません)にあい、ものすごくブルーになることもあります。

私の書き方が誤解を招いたのであれば、それもまた仕方がないのですが、このようなものの言い方をされると、それが多少なりとも顔見知りの場合はとくにガッカリします。無論それも私にとっては覚悟の上ではあるのですが……。

よく 「芸人は親の死に目に会えない」 などといいますが、たぶん私のようないいかげんな立場の奇術家でも、引き受けたからには、それが手弁当、ボランティアであったとしても、そのような立場においては仕事を優先するでしょう。

おそらくは 「正規の」 という言葉にひっかかりを覚えたのかもしれませんが、それは一般の仕事と、マジック関係者からの奇術家のためのイベント、という意味合いで分けただけで、他意はありません。

また、別の方からは、「ゆうきとも」のような高名な方を知らなかったことに気を悪くされましたか?などと、まったくどうでもいいことについて言及され、結局は 「ゆうき氏ほどではないが私も 世間一般 には認知されていることを再確認しました」 といった話まで聞かされ、これじゃあ伝わるわけないかと、こちらはコチラで(いままでの行動の無駄さかげんを)再認識することとなりました。

念のため、まあ極端な方もいることを考えた上で書きますが(まあこれもまた伝わらないのでしょうね)、ゆうきは高名でも有名でもありません。ごく一部のマジック愛好家に知られているだけで、世間一般にはまったく知られていないのです。

いわば 「アングラ奇術家」 です。

世間一般に知られているマジシャンなんて、片手もいないのが現実なのです。わかりやすくいえば、前田さんやふじいさんだって、知らない人は驚くほどたくさんいるのです。 ただ、ジョークでもなく、「えっ、ホントに自分のことを知らないんですか?」 といったことを平気でコメントするマジシャン(無論自称)も実際に目撃したことがあり、こういったタイプの人物が増えているのは事実かもしれません。 いずれにしても、自分が少しでも有名でありたいという願望…… そこから作られた都合のよいイメージ、これもまた 「思い込み」 だといえそうです。

まちがいない!

以前にも何度か書いていることだとは思いますが、所詮ブログです。無論実名を出して明らかに間違った情報を流すことは論外ですが、その中身をどこまで信用するかは読み手次第なのです。文章自体から何を読み取るかは読み手側のセンスですし、そもそも当ブログ程度の完成度の低いモノから、コチラの意図を全て汲み取ることは不可能でしょう。私の「人となり」をある程度理解している方でも、半分伝わっているかどうか疑問なのです。もちろんなるべくうまく伝わるように努力はしているのですが、残念ながら、結果的にマイナスになってしまうことも多々あります。

したがって、良い考えのサジェスチョンが得られればそれを自分にいかし、必要のない情報はカットしてくださいとしか言いようがありません。

読者の方がドン引きするオチしか思いつかないので、とりあえずおしまいです。

……世話人の方はしきりに 「あつい」 というフレーズを繰り返しておりましたが、東京から参加した身としては、実にすごしやすく、快適であったゆうきです。

週末は北海道にて、温泉レクチャー2、札幌のマジックショップ「M」主催のレクチャーと、二泊三日のレクチャーツアーでありました。

てっきり地元の方だけかと考えていたのですが、岩手から参加のK氏(途中はぐれてしまい、それっきりですがご無事でしょうか?)、東京(近郊?)から参加のS氏(お住まいはアチラではなかったのですね、東京の会にもぜひいらしてください)なども加えまして、大変楽しい時間をすごさせていただきました。

世話人のKさん、同行していただいたAさん、ショップオーナーのSさんおよびスタッフのみなさん、三次会の場所を提供していただいたNさん、そして参加していただいたすべてのみなさんに感謝いたします。

ありがとうございました。

温泉レクチャー終了後の宴会では、何人かのトリックに関しまして、多少口をはさんでしまいましたが、もし気を悪くされた方がおられましたら(よっぱらいのたわごとと)、あまり気にしないようにお願いします。いわば、ついでに 「ともの会EX」 に参加したものと思って、ポジティブに捉えていただけると幸いです。

二日目の二次会にて、素敵な 「カードロケーション」 を演じていただいたAさん、一応私なりに解決したものがありますので、次回はその件もふくめまして、トリックに関するセッションができればと思います。連絡先を教えてください。

ちなみに 「温泉レクチャー2」 は、年末までにはフォーサイトより発売できそうです。

先日またしても 「個人レッスン」 の問い合わせがあったのですが、基本的にはよほど双方の状況が(うまく)かみ合わない限り、ないものと思ってください。

その理由は以前にも説明しておりますので、ここでは繰り返しません。

一応定期の会(講習会とは限りませんが)は4種類あり、これらは5/24付けの 「あらためまして2」を参照してください。

そこでも少し触れていることですが、実際に演技、その他のアドバイスを受けられる会が、渋谷のフォーサイト主催で行われている 「ともの会EX」 です。

基本的には毎月第3月曜日、19時から行っています。 必ずゆうき、もしくは庄司がおりますので、その他のゆうき主催の会に関しましても、この会が 「窓口」 と考えていただいてよろしいかと思います。 

「ともの会EX」 の詳細は、フォーサイトのホームページ 「フォーサイトからのおしらせ」 をごらんください。

また、以前お知らせしていなかった講習会に、サンシャインシティ文化センターの 「カードマジック入門」 があります。 
全5回の《超》初心者コースはすでに終了しておりますが、7月5日から、次の段階である《初心者コース》全5回がはじまります。
19時から20時半までで、7月5日、19日、8月2日、9月6日、20日の予定です。 お申し込み、お問い合わせは 03−3987−2381までどうぞ!

結構楽しみにしていたのですが……。

私の判断があまく……。

物事は常に悪い方向へと進み……。

ゴールを目の前にしつつ、タイムオーバー!

入れないことないだろうと思いましたが……。

「満員札止め」 と言われ、断念いたしました。

映画 「デス・ノート」 の試写会です。

原作漫画の連載がはじまった当初、たまたま読んでしまい、「少年ジャンプ」らしからぬ作風に驚き、以後は単行本がでるたび、しっかり買って読んでいるほどのファンでありました。

6日から15日の間に8回の上映があったのですが、たまたま本日の13時の回しかチャンスがなく、12時に家を出ました。
本来なら充分に間に合うはずであったのですが、電車のホームに立つと、なぜか不自然な人ごみで、嫌な予感がします。
どーも事故で電車が遅れているみたいです。目的地までは線が二本あるのですが、どちらもダメで、念のため各駅停車と快速との時間差をチェックしてみましたが、目的地までの所要時間は結局同じようです。
しばらく待たされた後、最初に動き出した電車に飛び乗りました。
後は時計とにらめっこです。
時間通り到着すれば、どうにかぎりぎり間に合いそうです。電車にトラブルはなく、あと少しで到着します。

「ウーン、なんとか間に合いそう、よかったよかっ……」

そこで扉が開くことはなく、電車は目的地の駅を無視してスルーしてしまったのでありました。

「ん?……って、あっ、これって快速だっけ?あああっー、しょ、所要時間は確かにいっしょだけど、それには乗り換えが必要でしたあああっ!あっつちゃあ (*_*;」

しかし、そんなことでくじける私ではありません。2つ先の駅で飛び降りると、逆方向のホームへと走ります。幸い電車の扉は開いており、乗るには充分間に合いそうです。ホームの上にある掲示板でチラリと出発時間を確認すると、12時54分発となっていて、一瞬ホッとしたのもつかの間、横の掲示板を見ると、事故のため大幅に時間が遅れており、次の発車予定は13時14分となっているのです。 (゜o゜)

一瞬その場に立ち尽くし、かたまりかけたのですが、その時なんと発車ベルの音が……。

あわてて電車に飛び乗ると、定刻どおり出発しました。

「……ということは、さっきのは別の線の案内であったか……おお危ないところであった、まだ望みはある」

目的の駅に着き、会場までおよそ500メートル!初めての場所であったが、すぐに見つかり、いざ入口へ……。

「13時4分、最初は少し見られないまでも、まあ良しとしようか……」

すでに手に持っていた案内状を係りの人間に渡そうとすると、

「アッ、すみません、もう始まってまして……」

「そうですか(それはまあ仕方ないね)」

「いや、あの……満員なんです」 (ん、ん、) 「もう入れません」

「ほう、そんなに混んでいるのですか (-.-) 」

顔を引きつらせつつ、踵を返す私でありました。トホホ。

しかたがないので、空き時間で 「トリック2」 を観ました。
上田と山田コンビには、次は是非、夜神月(やがみライト)と対決してほしいと思いました。 おしまい。




クロースアップから、ちょっとしたサロンまで、バラエティに富んだ実用的な作品を7つずつ集めた私のDVDビデオシリーズがあります。

名古屋のマジックショップ 「UGM」 から発売されている 「ワイズ・ワークス」 がそれで、現在♯1〜5、および番外編の 「EX」 そして2005年UGMコンベンションのライブバージョンである 「ライブ・ワークス」 を含めると、全部で7種類存在しており、いずれ(来月?)mMLでも販売する予定です。

フォーサイトの 「ゆうきともからのお知らせ」 でも先月触れていたのですが、5月に♯6の撮影があり、その試作品を先ほどチェックしたところです。

実はフォーサイトから発売されている私のカードマジック作品集 「トランプの友」 と同じように、このシリーズも♯5にて、とりあえず終わりにしようかとも考えていたのですが、タイミングの問題で先月急遽撮影することとなり、準備期間の問題もあって作品自体のクオリティを少し心配していたのですが、まあ一応は問題なさそうです。 こうなったら、キリのいいところで♯7?までは出そうかと思っています。

この後7月にパッケージデザインをカズ氏に依頼し、8月か9月には発売できる予定です。以下に作品タイトルだけ紹介しますので、現象を想像して楽しんでください。

 1 マネーゲーム・ルーティン
 2 E-Z ビル・チェンジ
 3 スーパー・マイナー・トライアンフ
 4 P&C
 5 チャイニーズ・コンセプト
 6 オセロ
 7 ダイアログ・イン・ザ・ダーク

ちなみに現場のスタッフには、3のトライアンフが好評……というかメチャクチャ不思議だったみたいです。上記の中では一番新しいトリックです。

1は有名な売りネタの私の手順で、季刊誌「ザ・マジック」の初期の号に掲載されていて、思い入れのある作品です。

個人的に一番重宝しているのは、2のビル・チェンジで、これは以前「がくぶん」の教材の中で解説しているものです。

5はとにかく実用的で、テーブルがあればどこでも実演可能です。最近最も実演回数の多い作品です。

マニアの方には、4と6が楽しめるかもしれません。有名トリックのアレンジですが、どちらも自信作です。 ま、とにかくお楽しみに!

タイトルに使わせてもらった言葉は、以前(5,6年前くらい)テンヨーの鈴木徹さんがおっしゃっていたフレーズで、聞いた当時 「なるほど、いい表現だな」 と感じたものです。

方法論はこの際無視して考えますが、すぐ傍で鑑賞することが可能なトリックがあった場合、その距離が離れれば離れるほど、「魔法感」 とでもいったものは当たり前に薄れます。

例えばカパーフィールドの 「フライング」 は、最前列でも鑑賞することは可能ですし、氏のパワーを持ってすれば、おそらく1000人のホールでも最後列まで 「魔法」 を届けることは可能だろうと思います。

しかし、実際に確認してみましたが、5000人のホールにおいては、世界最高のマジシャンをもってしても、それが(やはり)不可能であることをハッキリと確認することができました。

私はプロレスや格闘技が好きなので、東京ドームでの試合(3〜5万人は入ります)も何度か観にいっているのですが、正直実際に見ているのはモニターであり、あくまでも 「この、同じ空間で、一応リアルタイムで観戦している」 という、いわばプチ臨場感に浸っているに過ぎません。

「音」が表現のメインであるミュージシャン以外のパフォーマーは、この部分におけるキャパシティのハンディといったものが、ものすごく大きいわけです。
無論その代わりの利点も多々ありますが、論点がずれるので、今回は触れません。

mMLでのカズさんとの対談でも話したのですが、本当のクロースアップ・マジックというのは、例えば家族団欒の席や、飲食店でお茶等を飲んでいる際の、せいぜい4,5人、距離にして1メートル以内で起こる 「不思議」 であるわけで、ショーなどにおいて、観客が5人以上いる場合は、我々の (少なくともカズさんや私の) 認識としては、いわゆる 「サロンマジック」 なのです。

少なくともプロであるならば、観客の人数が5人をこえた段階で、本当のクロースアップ・マジックはセレクトしません。使用する道具立てが一見同じように見えたとしても、そのような人数に対応できるやり方や、見せ方にシフトしているはずなのです。

で、なにを言いたいのかと申しますと、クロースアップの道具立てのまま、大勢の観客 (最後尾まで) に魔法を届けるのは (当たり前に) 難しいわけで、一流の演者を起用して、会場をかなり工夫したとしても、ライブの場合は100人が限界でしょう。

そのような意味において、マイクもモニターも使用せず、上記の条件で観客を魅了する、ファン・タマリッツや、リッキー・ジェイといった人物は、選ばれし特別な人なのだろうと思います。彼らは 「本物のクロースアップ・マジック」 を演じきることができると同時に、ほぼ変わらない道具だてやコンセプトで、一度に(生で)100名の観客を(1時間近く)沸かせるのです。

このようなスタイルを目指すのは自由ですが、最初から観客の人数がわかっているのであれば、あらかじめ遠目のきく演目をセレクトしたほうが得策でしょう。

近年は国内でも、驚くほど多くの 「クロースアップのコンテスト」 が行われているのですが、注意してほしいのは、 「クロースアップ」 というのはほんの建前で、実際には、サロン、ステージ、といった感覚のものになっているという点です。

早い話、コンテストで本当にクロースアップを演じると、ほぼ入賞はできないということです(だってカードもコインも、普通に扱ったら見えないんだもの!)。したがって、もしコンテストで入賞することが目的なのだとすれば、遠目のきく、サロン、ステージ、といった感覚の手順を構成することが前提となるでしょう。

えーっと、話がそれてるようなので戻しますが、要は普通にクロースアップを演じようとした場合、魔法の届く距離は、かなり限定されます。物凄く良い雰囲気で、テーブルの上がどこからでも眺められる(らしい)有名なロスのマジック・キャッスルでも、客席は22席(たしか)と聞いています。

ごく普通のスペースを借りて、「クロースアップ・マジック」 を一般の方に楽しんでもらおうと考えれば、それ以上の席を設けることは、単なる無謀以外のなにものでもないと言えるでしょう。

テーブルや席の配置を考えても、本来ならばせいぜい10名くらいにしたいものですが、現実にそれが不可能な場合は、結局のところ、演技時間を短めにするしかないんじゃないかと思います。

さて、つい、だらだらと長くなってすみませんでしたが、このような経験を踏まえて(無論現在も試行錯誤の段階ではありますが) 「第二回モダクラ劇場」 が、7月17日の海の日に開催されます。
ゆうきと、庄司タカヒトに加え、女性マジシャンのまゆさん、コメディパフォーマーの石黒サンペイ師匠(ホントにおもしろいです)をお迎えしまして、約1時間のショーとなっております。 一応クロースアップ・マジックショーということで、上記の点に配慮いたしまして、1テーブル20名限定で、完全予約制となっています。

1部 OPEN 14:00 〜  START 14:30〜
2部 OPEN 17:00 〜  START 17:30〜

五反田ゆうぽうと5階  はまゆうの間、さわらびの間

お申し込みは、フォーサイト・武井まで 090−9372−6151

ご予約の際に人数と希望時間、お名前をお知らせください。

と、いうわけで当日会場にてお待ちしております。はっきりいって宣伝でした!

さて、自分では当たり前だと思っていても、 「意外にそうとも限らないこと」 は、往々にしてあったりするものです。

ここ数年のマジックブームのおかげで、テレビの特番といえば、もはや当たり前に2時間、もしくはそれ以上の長さの番組が製作されており、一部の愛好者や、マジックファンの方のなかには、時間の感覚が麻痺している人が多いのかもしれません。

私の仕事としてのマジックのスタートは、大衆レストランにおける 「テーブル・ホッピング」(マジシャンがお客様のテーブルを訪問して、お店の無料サービスとしてマジックをパフォーマンスする) であったのですが、一卓の演技時間はせいぜい5分程度でした。

なぜこの演技時間なのかというと、一つにはお店のキャパが大きいことで、なるべく多くのテーブルを訪問しなければならないということ。

もう一つはお店の立場として、お客様の回転率を上げなければ売り上げに響くわけで、マジックを演じることで(結果的に)長く引き止めることは、けして得策ではないからです。

無論、お店がヒマなときや、常連のお客様などの場合は、必要に応じて少し長めに演技をすることもありましたし、問題がなければ2回、3回と、リクエストにお答えしたこともあります。

で、これはあくまでも 「お店の無料サービス」 ということであって、店、マジシャン、観客(食事がメイン)、という場合における一つのサンプルにすぎません。

仕事によっては、20分で10卓全部まわってください。といった場合もざらにありますし、一応現在では、それをなんとかする技術は持ちつつも…… 正直それが良いとは思いませんし、できれば一卓につき3分間は欲しいというのが本音です。 ま、それでも自分のキャラやスタイルを伝えることは至難の技なのですが…… いや、実際にそのような条件においては、必ずしもできてはいないのが現実で、仕事と割り切ってやるしかないのですが……。

逆に(主催者側から)演技時間を多く求められるというのもこまりものです。無論、演者の力がより必要になるのは当たり前なのですが、早い話、そこまでの力のない演者のパフォーマンスを、だらだらと見せられる観客の方がもっと大変なのです。

芸人用語でいう、いわゆる 「営業」 の場合、ステージで(まあ、実際にはそんなものが存在しない場所も多いのですが)最低でも30分の演技時間を求められることが多く、実際のところ、この30分間をワンマンで演じ切り、どんな場所でも、充分な反応をえられるマジシャンは、日本には数えるほどしかいないと思います。

仕事の場合、複数の芸人の中でマジシャンは一人の場合が多く、仮に1時間をこえるショーの場合でも、内容がバラエティーにとんでいて、力のある芸人さんの間に入っていれば、バランス的にもなんとか(ギリギリ飽きずに)見られるものになるのですが、これがもしマジックばかりであったら、観客は相当辛いであろうと思います。

世界で最も成功し、有名で、実力のあるマジシャン、デビッド・カパーフィールド氏が、かつて毎年放送していたTVスペシャルでも1時間、実質40分間ほどなのです。

とにかく一部のマニアのような方を除いて、マジックを本当の意味において楽しもうと思ったならば、長いよりは短い方が良いはずなのです。

繰り返しますが、これは、マジシャンにとっても、観客にとってもです。

フォーサイト主催の 「モダクラ劇場」 では、そのような経験に基づき、4人のマジシャンが、各々15分間演じ、正味60分間のプログラムを構成したのですが、実際にやってみて、この演技時間が妥当なものであることを再確認できました。

もし実際に一般のお客様を招き、30分間まかせても問題のない、実力のあるパフォーマーを使えるのであれば、2人で1時間のショーを構成すれば充分でしょうし、もし仮に(奇跡的に)そのような演者が3人使える立場に私が立ったとしたならば…… それでも1人の演技時間を20分にして、休憩もはさみ、密度の濃い 「あっという間」 のショーを構成する方が、賢い選択かなと思います。

さて、上記の例は、クロースアップであったり、ステージであったり、はたまたホッピングであったり、テレビであったりと、実にバラバラなのですが、要は実力に関係なく (だらだらと) 長いよりは、短めの方が (ま、ショーの場合の5分や、10分というのは極端ですが )よいだろうということです。

本当にカジュアルな、せいぜい3、4人を対象に演じるクロースアップの場合、相手側がより多くのマジックを求め、演者のパーソナリティを充分に受け入れてくれた場合は、演者のレパートリーおよび、その組み立てに問題がない限り、あそびの延長で適切な間をとりながらであれば、多少長く演じてもよいのかもしれませんが……。

いずれにしても相手が一般客である場合は、仮に求められたとしても、10分以上は演じない方が懸命でしょう。

実際のところ、10分間(それが遊びだとしても)相手の心をつかみ続けることは難しいのです。

結局のところ、表向きは 「お客様に楽しんでもらいたいのです」 などといいながら、ただ単に自分が演じてみたい、本当は自分が楽しみたいだけなのではないでしょうか? 極端な話、マジック・ハラスメントになってはいないでしょうか? もしみなさんが仕事としてマジックをしている場合は論外ですが (仕事として長く演じざるを得ない場合は、がんばるしかありませんけど)、アマチュアだとしても、そこに対象となる相手がいる限り、演技時間はもちろんのこと、マジック以前の気遣いができなければ、結局それはあなた自身のマイナスとなってしまうのです。 

私もこの点は日々反省しております。

ホントに遊びで飲みにいったりすると、相手の求めに応じて2、3時間平気で演じ……というか、やり続けることありますからね! ^^;

まあ、とりあえず、常に意識しておいたほうが、得策かと思いますです。 はい。

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