ゆうきともからのお知らせ 2

主に monthly Magic Lesson に対するお知らせや、ゆうきともの個人的な見解等を不定期に書き込むblogです!

2006年03月

ワークショップのような感じで、気がつくと結構長いこと続けているのが、毎月第三月曜日、渋谷にて開催している 「ともの会EX」 です。 先日無事に二回目の発表会も終えて、ほっとしているところなのですが、会のシステムについての説明はここでは避けたいと思います。 詳細は、フォーサイトの「庄司タカヒトからのお知らせ」2005/10/18 もしくは16○さんの「森羅万象サイト」2006/03/05 にてご覧ください。

基本的には、どなたでも参加できるマジックの会ですし、時間制限こそありますが、好きなマジック、試してみたいマジックを、実際に演じる機会も設けてはあります。

ただし、この会における参加者の最も有効な活用方法は、「ものすごく安あがりな個人レッスン」 そういう言い方をしてもいいほどの、特殊な会の内容にあります。

残念ながら、その点を理解されていない参加者の方(で、発表者)の中には、いわゆる 「マニア同士の情報交換」 に従事して終わってしまうパターンが多いようです。(念のためいっておきますが、そのような楽しみ方が悪いといっているのではありません! そもそもこの会自体が、そのような趣旨でわざわざ開催している会ではないということを言いたいのです。 また実際に言っておるのです。 (-_-)) こちらとしては、単純に考えて、もったいないな〜と、いつも思ってみたりもするわけです。

実際に何人かのメンバーは、しっかりとした目標を持ち、着実に実力を付けられており、発表会の中でも力は際立っておりました。 (^_^)

最近個人レッスンのお問い合わせが多いのですが、まずは時間と経費の問題が生じることになりますし、(最低でも二回、つまりチェック、手直しの日でまず一回、後日再チェックで、計二回分の時間を、お互いに作らなければなりません) ……ま、それによって自身のモチベーションを高めるといった意味合いもあるのでしょうが、それほどお急ぎでなければ、「ともの会EX」 一度のぞかれてみてはいかがでしょうか? 会費千円の価値は、充分すぎるほどあると思います。

もちろんそれはあなた次第なんですけどね……。

mMLの特別版が発売されます。詳細はmML菅又氏のブログで。

値段はまだ未定ですが、会員のみなさまには1500円くらいでお届けできるかと思いますのでお楽しみに!

ここからは菅又氏への連絡ですが、20日のEXの会、もしくは21日の発表会のときに、特別版を20くらいお持ちいただけると助かります。

Dr.レオンの番組を見ました。(゜.゜) ……結構楽しめました。(^_^;) 

マジックの内容はさておき、 「時空を捉えました!」 「コンプリート!」 こう言ったフレーズ自体には、指をパチンと鳴らす動作や、Mr.マリックの 「きてます!」 と同じように、 “一種のおまじない” としての効用を期待することができます。 (けしてあのようなフレーズを作りなさいということではありませんのでご注意を!)

無論、より魔法に近い、リアルな効果を引き出すためには、使いすぎや、心のない、いいかげんな動作、言い方であってはマズイのですが、少なくとも 「今から現象がおこりますよ」 「これでおしまいですよ」 といった、観客への注意をうながす、基本的な手法という意味合いにおいては、初心者の方や、見せることに悪い意味で  “なれすぎた” 奇術家にとっては、かなり参考になるはずです。

ある時、ベテランのマジシャンから、 「おまじないなんて必要なのか?」 といった質問を受け、私にとってはその人物から “そのような疑問が” 発せられた事実に驚き、また、先輩格の方であったこともあり、(ショックでしどろもどろとなり)うまくお答えすることができませんでした。

そのときに、具体例として取り上げられたトリックは、いわゆる「ビル・チェンジ」および、舞台におけるスピーディーな「イリュージョン」全般であったのですが、その人物は、少なくとも最近のイリュージョンの演出では、「おまじない」はなくなっているし、それでいて充分に効果を上げているのでは? そういった趣旨のことを確かおっしゃっていたのだと思います。 

その時点では、うまくお答えできなかったのですが、この場を借りて、あらためて説明させていただきますと、おそらくその方は、私の言う「おまじない」の意味を、 “演者がそれによって不思議現象を起こしている” そういった、狭義の意味あいで捉えていたのではないかと思います。 先にも少し触れたように、その部分も無論大切ではあるのですが、そのような演出スタイルにおいて、より重要なのは、 「今から現象がおこりますよ!」 といった合図であり、一種の間であるわけです。 マジシャンがポイントとなる部分をかっこうよく指し示したり、カバーに使う幕を振り回したりするアクションそのものが、いわば「おまじない」の役割をはたしているのだといえます。

また、マイク・コズロフスキーの「ビルチェンジ」以降、様々なバリエーションが誕生しましたが、無論このような現象においても、 “この合図” 、つまり “マジシャン自身の現象を起こそうとする意志” を観客に対して示すことは重要です。 たとえ最近のケビン・キングの手法を採用する際でも、そこをしっかりと押さえておかないと、現象が流れてしまい、せっかくの効果を半減させてしまうことになりかねません。

自分のトリックが、観客にうまく伝わっていないな? そう感じたときは、まずこの部分をチェックしてみるといいかもしれません。

先日の昼間テレビをつけていたら、脚本家の三谷幸喜氏が出演しており、人形を使った舞台での演出について面白いことを語っていました。

生身の人間が舞台で死んでしまう演技をしても、観客は「本当に死んだわけじゃないってことを分かっている」これが前提なんですけれども、人形が舞台で死んでしまうと、これはもう本当に死んでしまったように見えるんですね。それまで存在していたはずの「魂のようなもの」が本当に抜けてしまったような……。

氏の出演場面をすべて見ていたわけではないので、細かくは覚えていないのですが、おおよそは上記のような話だったと思います。内容自体も少し興味深いのですが、ここで言いたいのは、例えそれが自分にとっての専門ジャンルだとしても、 “実際に体験してみなければ分からないこと” というのはしょっちゅうあることですし、そのような新鮮な発見自体が、「何かを学ぶことのモチベーションになるのだ」ということです。

最近レクチャーの現場でよく言われることの一つに、「いや〜本とかノートだとよくわかんないんだよね〜 DVDはないの?」そういった質問(命令?)がよくあるのですが、 実際に映像で現象を確認しないと……それはまあその通りですし、気持ちも理解はできます。 

ただし、もしあなた自身の中に、より “このジャンル” におけるさらなる高みを目指したい、そういった気持ちが少しでもある場合は、ほぼ一方的に与えられているといってもいい(ありがた〜い)「映像」だけに頼るのではなく、文章やライブをはじめとした、あなた自身の能動的な行動や経験の積み重ねのなかでおこる、 “新鮮な発見” こそが、いろいろな意味でのプラスとなるはずですから、そのことを是非忘れないでほしいと思います。

ほんのちょっとしたこと……些細なこと……でもそれに自分自身で気づく……楽しいと思いませんか?

先日mMLチェックで、菅又氏と歓談した際「マッチボックス・ペネトレーション」という商品に関する話がでました。 ※菅又氏のmMLブログを参照のこと 

実はこのタイプの話はよくあることで、情報過多すぎる現代においては、今後もどんどん増えていく問題だろうと思います。経験を冷静に積み重ねることで、マジックにおける 「現象と方法論とのバランス」 といった、基本セオリーを(なんとなくでも)つかんでいる方であれば、すぐに気づくはずの問題も、マジックに取り組みはじめたばかりでは 「分からなくてあたりまえ」 ですし、さらにいえば、結構経験をつんでいるはずの人でも、この手の「うっかり」(……だといいのですが)はよく見かけます。

ところで、そもそも「商品のタイトル」というのは、「売るための分かりやすさ」が基本であるため、上記のような「演じる人のための」細やかな配慮や、オリジナルの考案者の「コンセプトが生かされていない」といったことは結構多いものです。

販売する際の対象者が、はっきりと絞られている場合は問題ないのですが、幅広い客層に販売する商品の場合は、常におこりえる問題でもあり、正直難しいところです。

ちなみにmMLの作品タイトルや、サブタイトルは、比較的最近発表された(よほど)有名な作品でない限り、菅又氏に(観客からの見た目を重視したもので)おまかせしております。もちろんチェックはしていますが、たいていはそのままGOサインをだしています。すでに内輪の人間なので、手前味噌になってしまいますが、良いセンスを持っていると感じています。

ついでにタイトルこそ変わらないものの、諸事情により、元々のコンセプトを崩さざるを得なかった作品として、テンヨーで発売された「スパークルアイ・デック」があります。

これは、私も開発にかかわった、フォーサイトの「新・スパークルアイ」を、テンヨーが販売することになったとき、経費をおさえて単価を下げたいとの理由から、本来付属していた道具をカットし、結果的に演者の負担を増やすことで「その穴」を埋めています。したがって、もし実践で使用することをお考えでしたら、まずは「新・スパークルアイ」をオススメしますし、そしてこのタイプのトリックに興味をもたれたら、「スパークル・アイ2」がいいでしょう。

いずれにしろ、このような「あいまい」なタイトルであれば、少なくとも変な勘違いはおこらないんでしょうね…… (・・?

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